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こんにちは、GrGuruto です。最近 macOS でのゲーミング環境が整えられつつあることをご存知でしょうか?Apple が 2023 年 6 月に発表した game porting toolkit (以下 gptk) 1 により、数多くの Windows 専用ゲームが macOS 上でも動作するようになっています。そこで、今回は macOS でも遊べるゲームのうち、PC 音ゲーに絞っていくつかを設定やプレイ感と共に紹介していきます。
はじめに
自環境
MacBook Pro 14-inch, 2023 Chip: Apple M2 Pro CPU Cores: 10 GPU Cores: 16 Memory: 16GB macOS: Sonoma 14.3 Beta Display: 14-inch (3024 × 1964 Retina) Display type: Retina XDR Display game porting toolkit: ver. 1.1
素晴らしいことに 120hz 出ます。
注意
Mac に外付けキーボードを接続して遊ぶとき、USB ハブを介している場合ハブの影響で N キーロールオーバーが効かなくなったりポーリングレートが低下するなどして本来の性能を発揮できなくなる可能性があります。ロールオーバーについては一つの USB が 6 つまでしか同時に信号を受け取れないことが影響していると思われます。解決策は type-c でキーボードを接続するか、もしくは性能の良いハブを用意することになるでしょう。ロールオーバーだけ解決したいのであれば二つキーボードを用意するのもありです(外付けキーボード+内蔵キーボードでも一応可)。
game porting toolkit のインストール方法
こちらの AppleGamingWiki の記事に従ってください。私は Whisky は使用していません。
各音ゲーについて
一つずつ紹介していきます。
DJMAX
設定
DISPLAY MODE: Full Screen LIMIT FPS: Unlimit ADJUST NOTE OUTPUT TIME: +87ms ADJUST JUDGEMENT TIME: 0 KEY SOUND: OFF
FPS: 200~300
デフォルトで V-SYNC がオンになっていましたが切るべきです。V-SYNC 使用時は 90fps でラグもたまに起きていましたが、V-SYNC を切ってからは 300fps 付近で安定して遊べています。Audio buffer size や Polling rate は自由に変更して問題なさそうです。基本快適ですが、何かの拍子にウィンドウモードに変更されると一つのキー入力に3分程かかってしまうゴミの不具合が存在します。もしこの不具合に出会った場合は気長にキー入力が受け付けられるのを待ち、設定画面からDISPLAY MODEかRESOLUTIONを変更する必要があります。Steamの起動オプションは効きません。
EZ2ON
一度は私もプレイしたことがあり、また以下のようにYouTubeにプレイ動画が存在することから動作はすると思うのですが、今の自環境では上記のエラーが出てしまい起動することができません。リンクの動画によればレイテンシがあるそうなので、起動できたとしても快適に遊べるかは微妙かもしれません。
MUSYNX
設定
Screen: 1512 x 982 Graphics quality: Any
FPS: 90
あまりプレイしていないため判定調整は省略。ゲームを起動すると Graphics と Input 設定ができるウィンドウが出現すると思いますが、そこにある Graphics quality はどれに設定しても 90fps 固定となってしまいます。動作は快適でした。
beatoraja
設定
Display Mode: WINDOW Resolution: FWXGA (1366 x 768) Vsync: None (チェックなし) Max FPS: 240 Audio Buffer Size(KB): 32
FPS: 240
WINDOWモードで起動し、起動後少し待ってから左上の緑ボタンを押すことでフルスクリーンに移行できます(起動直後に押すとゲームが落ちます)。キーを押してから音が出るまでの時間が少なからずありますが、Windows上でも同様なのであまり気にしていません。Max FPSは特に必要に感じていないため240で止めてありますが、480でも動作を確認しています。一方Audio Buffer Sizeは16KBに設定すると頻繁にラグが発生するようになったため32でプレイしています。導入については以下の記事が詳しいです。
osu!
設定
Frame limitter: Optimal Resolution: 1512 x 982 Fullscreen mode: ON Universal offset: -81ms
FPS: 300~360
mac で osu をプレイする方法は将来 stable 版になる予定の osu!lazer を使用する方法と wine を利用したものの二通りがあります。lazer では普段 stable で使用していたスキンが使用できなかったため私は wine の方でプレイしています。wine 版のインストール方法は以下の wiki の通り。日本語が文字化けする場合は ctrl + o で設定を開き、以下の画像の位置にある言語設定を英語に変更しましょう。また曲検索欄に誤って日本語を打ち込むとアプリが落ちます。 gptk を使用して Windows 版を自分でインストールしても動作すると思いますが、以下の wine 版では曲やスキンのダウンロードを簡単にするツールがあるためこちらの方が楽だと思います。
重いスキンを使うと(正しくはファイル数の多いスキン?よく分かっていない)初回ロード時のみかなり待ちますが、それ以外は良好に動作しています。
Etterna
設定
Display Mode: Windowed DISPLAY RESOLUTION: 1920x1200 REFRESH RATE: Default WAIT FOR VSYNC: No GLOBAL OFFSET: -28ms
FPS: 120
beatoraja同様起動後に左上の緑ボタンを押すことでフルスクリーンに移行できます。以下の GitHub の issue にもあるようにゲーム内設定からフルスクリーンにすることはできません。もしゲーム内フルスクリーンに設定し黒い画面になってしまった場合は Etterna/Save/Preferences.ini ファイルの windowed を 1 に書き換える必要があります。 Preferences.ini 内のフレームレート制限の欄は 1000 に設定されていますがゲーム内の FPS 表示は 120 で止まっており、実際 DJMAX や osu! ほどのノーツの滑らかさを感じません。 しかしプレイに支障があるわけではなく、快適に遊べています。FPS 値を上げる方法は存在するのではないかと思っていますが未調査です。
Malody
設定
Unlimited FPS: ON Resolution: Fullscreen
FPS: 120
Malody 4.3.7 のプレイです。あまりプレイしてないので判定調整は省略。現在 Windows 版の Malody 4 は公式サイトから入手できなくなっていますが、日本語 Malody Wiki にリンクが存在し入手することができます。以前は Mac 版 App Store にもあったようですが、現在は削除されています。最新版である Malody V は Steam 上で Windows 向けに公開されていますが、こちらは未調査。
Malodyを始めたい方へ(端末版) - malodywiki ページ!
MuseDash
未所持のため未検証ですが macOS にネイティブ対応しています。
KALPA
おまけ。iOS向けのアプリですが、 Mac へのインストールが許可されている数少ない音ゲーアプリです。動きはしますがキーボード入力に対応していないためクリックしてノーツを叩く必要があります。 Python でキーボード入力をマウス入力に変換することも試しましたがまともに動作しませんでした。技術的には入力変換は可能そうだけどやり方が分かりません。誰か頼んだ。ちなみに以下のように Android のエミュレータを使えばキーボード入力で遊べるようになるらしいです。
終わりに
このように PC 音ゲーはもはや Windows だけのものではなくなっています。ゲームによっては下手な Windows 機より快適に遊べます。もちろん Windows 機を持っていればネイティブ環境で楽に遊べますが、Mac も PC 音ゲーを遊ぶデバイスとしての候補には十分なり得るのではないでしょうか。